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ブルース、ジャズ好きに勧められる希少なホラー映画「ゲット・アウト」が怖い

小学生のとき物凄く幽霊というものに恐怖心を抱いていた。
しかし成長していくにつれてその恐怖心は薄れていった。
何故だろう?

冷静に考えてみると幽霊って人間に直接的な害を与えることってあまりないのだ。

よくある幽霊話。。。
・自殺した人が自殺現場で手招きをする
・誰もいないはずの部屋から人が動き回る足音が聞こえる

などなど。

ただ自分の存在をアピールしているだけではないだろうか。
かまってちゃんか。
(呪いとか祟りとかそういう話は除きます)

こういうことを僕達は成長するにつれて分かっていく。
そして+αで気づく。

それは人間の怖さだ。
人間に比べたら幽霊の怖さなどへのへのかっぱである。

夜勤明けになんとなくホラー映画が見たくなり鑑賞したこの「ゲット・アウト」はそんな人間の怖さを描くホラー映画である。

主人公である黒人青年が白人女性のフィアンセの実家のもとに訪れる。
フィアンセが自分のパートナーを家族に紹介するためだ。
黒人青年は違和感を感じまくる。

なんで使用人は黒人だけやねん?
なんか彼女のおとんとおかんと弟の言動やばいやつやん?
親戚もなんかみんなやばいやつやん?

この?が回収される度に鳥肌がたっていくのがこの映画の恐怖であり醍醐味。

黒人差別のメタファーの挿入も秀逸。
紅茶と綿が重要なアイテムとして登場するのだ。
どちらもプランテーションで黒人が奴隷として栽培していた作物。

(特に綿は栽培時に棘で手を傷つけるので黒人がこき使われた。その綿が主人公の運命を大きく変えるアイテムとなる。この皮肉をさりげなくメタファーとして挿入した監督のセンスがすごい。)

まさかホラー映画で現代にもはびこる黒人差別について考えさせられるとは思わなかった。
肌の色が違うという理由だけで同じ人間を差別し苦しみを与える人間を見て幽霊は一体何を思うのだろうか?

ある程度、黒人差別への前知識があるとより楽しめる作品だと思う。
ブルース、ジャズ好きに勧められる希少なホラー映画。