誰にでも好きなものはきっとあるはずです。
食べ物だったり、音楽だったり、絵だったり、旅行だったり人それぞれ。
そして、それにハマる深さも人それぞれ。
今日はレコードにハマりにハマった私のお気に入りの音楽漫画を紹介します。
それが「レコスケくん」。
著者は本秀康(もとひでやす)さん。
レコスケくんについて
レコスケくんはミュージックマガジン、レコード・コレクターズなどのマニアックな雑誌に連載されていました。
だから内容は結構マニアック。
でも案外誰が読んでもライトに楽しんで頂けるのではないかと思います。
それは
・主人公レコスケくんのレコードに対する真っ直ぐなレコード愛
・軽くて味わいのある絵のタッチ
のお陰でしょうか。
レコスケくんのレコードにかける愛情はときとして狂気にも見えます。
寝ているときに地震が起きた際、大好きなジョージハリスンのレコードで死ねるように棚位置を決めているくらい。
彼のレコードにかける熱い愛情は何があっても揺るぎません。
揺るがないからこそ狂気に見えるのです。
レコード裁判は大傑作エピソード
個人的にはレコード裁判のエピソードが最高に笑えて好きです。
レコードでお金を使い果たしたレコスケくんがレコードを売ってお金に変え、うまい肉を買おうとするお話。
売らずにとっておくレコードを無罪、売るレコードを有罪とする裁判が始まります
(つまり売るレコードを選ぶというだけの話)
悩んで悩みぬき判決を終えたレコスケくん。
彼が出した最終判決は・・・
「全員無罪!!」
なんて優しい裁判官なのだろうか。。。
(つまりレコードを売る気がないというだけの話)
ちょっと泣けるお話も
レコスケ君のレコード収集のドタバタ劇がメインの本作だが中にはホロリと涙してしまいそうになるお話も。
ここでは2つご紹介します。
①ジョージハリスンが刺されるお話
1999年にジョージハリスンが自宅に侵入した変質者の刺される事件を題材にしたエピソードです。
ニュースを彼女のレコガールから聞いたレコスケくんは顔面蒼白。
(1999年はジョージハリスンの大名盤である「オールシングスマストパス」の発売30周年の年でした)
その夜にオールシングスマストパスのジャケットを見ながらレコスケ君は呟く。
「オールシングスマストパスの30周年なんだよ・・・新作ももっと聴かせて欲しいよ」
本作ではレコスケ君のジョージハリスンへの愛情は嫌というくらい紹介されているだけにジョージのことを全く知らない人でもグッとくるエピソードです。
②ストーンズの東京公演のお話
レコスケくんがストーンズの東京講演をみにいきます。
彼はストーンズの熱狂的なファンではないので、少し冷静気味。
(ジョージハリスンとはエライ違いやな・・・))
そんなレコスケくんの目の前にストーンズの初代リーダー、ブライアンジョーンズの霊がやってきます。(唐突!笑)
ブライアンはレコスケくんに訴えます。
「長生き過ぎ!プールで溺れ死んだ俺のほうがロックだぜ!」
(ブライアンなら言いそうなセリフ・・・笑)
そこでレコスケくんはiPodでストーンズの当時の最新アルバムの中に入っているバックオブマイハンドを聴かせる。
「悪くないね!」とブライアンの霊は天国(?)に帰るのでした。
ストーンズファンの方にはグッとくるエピソードではないでしょうか。
まとめ
レコスケくんはかなりディープな趣味モノ漫画。
レコスケくんのレコード、そして音楽に対する狂気的な愛情が無性におかしくて、愛おしくなります。
レコスケくんのように何かを心の底の底から好きになるということは端からみて滑稽に見えてしまうのかもしれません。
でもやっぱり何かを好きになるのは幸せなことかな、と。
ブルースにハマりにハマった私は思うのです。