ブルース

ビジュアルから入るブルース!「ブルース・レコード・ジャケット」

ブルースのディスクレビュー読んでるけど文字多いな・・・
もっとビジュアルからブルースの世界に入っていきたいな

ジャケ買い」という言葉があります。
レコードやCDを選ぶ時に視覚から感覚的に買うことをさします。

皆さんも「パッケージがいいな」と思ってモノや本を買ったことありませんか?
それがジャケ買いです。

僕も今までブルースのレコードをたくさん買ってきました。
ジャケ買いもたくさんしてきました。
結果としてジャケ買いは裏切らない!という信念ができました。

そして純粋にブルースのレコードってなんとも味わい深いものが多い。

今日紹介する本「ブルース・レコード・ジャケット」はブルースのジャケットに焦点をあてた異色?のブルース本です。
ただブルースのジャケットを並べている本ではありません。
ビジュアルからブルースの世界に入れるとても楽しいブルース本です。

 

この本を買いた人

高地明さん

この本を書いた方は高地明(こうちあきら)さん。
日本が世界に誇るブルースレーベル「P-VINE」を創業した日暮泰文さんの右腕を長らく努めた人です。
感覚的な日暮さんを実務的に支えたのが高地さんだったと日暮さんの著書の中で何度も登場されています。
つまり、この人がいなければP-VINEの歴史はなかった。
それくらい凄い方です。

そんな方が書いた本なのでブルースへの愛情がギュギュギュッと入っています!

ざくっと本の内容をまとめてみる

ブルースだってアートだ!

そんなコンセプトによって基づいて書かれたブルース本です。
(書かれたというより掲載されているというほうが正しいですね笑)

有名カメラマン、デザイナーから無名のジャケット職人までブルースジャケットぼアートワーク!
LPからSPアルバムまで900点以上掲載!
もちろんオールカラーです。

この本のみどころ

①なんと!900点以上の圧倒的なボリュームのジャケット点数

900点以上!
もうボリュームが凄い。
変態的ともいえる圧倒的なボリューム!(ほめてます笑)

もうこの点数だけでお腹いっぱいになれます。

サイズもB5サイズで迫力十分!

②高地さんの”ちょっと”主観的な解説

前置きで高地さんは

中身の音は差し置いて、ジャケットだけで楽しむ

と記載しています。

この言葉通り?レコードジャケットに添えられた解説はビジュアル面についての解説がほとんど。
しかしときおり高地さんが思わず中身の音楽について語ってしまうことも!(それも結構熱が入っている笑)

そこに高地さんのブルースへのそこはかとない愛情が感じられて思わずにやけてしまいます笑

ビジュアル面での言及も

・○○だがジャケの笑顔がいいので全てを許す
・素人丸出しのジャケにも好感を覚える
・いわゆる「いい顔してる」ではメンフィススリムが一番だ
・ジャケット姿のなんとかっこいいことよ

などなど高地さんの主観とブルース愛が炸裂!

まるで高地さんに直接ブルースの魅力を語られているようでページをめくるたびに楽しい気持ちになります!

③編集がよい!この1冊でブルースのこともざくっと学べる!

本書はただレコードが900点並べられているという訳ではありません。
編集がとてもよくてレーベルや有名ブルースマンなどいろんな切り口で分かりやすくまとめられています。
そこに分かりやすい解説も書かれています。
そのためただレコードジャケットを眺めるだけでなく、ブルースの中身も知ることができます

・ブルースのジャケットデザイナー
・ブルースのレーベル
・国産のブルースレコード作品
・ロバートジョンソンやBB KINGなどの有名ブルースマン

などなど。

情報が視覚→文字という流れで入ってくるので本で知るのとちょっと違った感じ。
それが新鮮で楽しいです。

ここがちょっと・・・な点

いわゆるブルース入門本ではないので、純粋にブルースのことを1から知っていきたいという用途には向かないかと。
しかし、言い換えるとレコード屋さんで実際にジャケ買いをするような楽しさがあります!
(内容はイマイチだけどジャケットが最高!と紹介されているジャケットも多数あります笑)

間違いない盤を選ぶのもありですけど、ジャケットで直感的に買うのもレコードやCDなどの円盤が持つ魅力の1つ。
そんな魅力、楽しさがこの本にはあります。

まとめ

ブルース・レコード・ジャケットはブルースを視覚で味わおう!という異色のブルース本です。

・900点以上の圧倒的なボリュームのジャケット点数
・著者の高地さんのちょっと主観的で楽しい解説
・編集がよくて楽しくブルースを知ることができる

のが魅力!

ブルースを聴きながら、お酒を飲みながら、深くも味わい深いブルースジャケットの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?