ブルースのレーベルってたくさんあって分かりにくい!
今日はそんなあなたのためにちょっと分かりにくいブルースのレーベルについて記事を書いてみました。
どんなレーベルでもサウンドの特徴ってあると思うのですが、ブルースは特にレーベル毎に音の違いが顕著に表れていると思います。
僕もブルースを聴き始めのころはレーベル毎に手当たり次第に聴き漁っていました。
Contents
チェスレコード
まずブルースを語る上で外せないのがチェスレコードです。
チェスは1950年にポーランド系移民であるレナード・チェスとフィル・チェスの兄弟によって設立されました。
シカゴブルースの歴史=チェスレコードの歴史、と言っても過言ではないでしょう!
音の特徴は都会的なスマートな音。
最初に聴いたときにえっ!ブルースってこんなにお洒落なのもあるのか!と衝撃を受けたのを覚えています。
1975年に事実上倒産しましたがチェスの残した音楽はこれからもブルースの歴史として刻まれるでしょう。
チェス所属のミュージシャン
・マディウォーター
・ハウリングウルフ
・チャックベリー
・エタジェイムス
・リトルウォルター
・ココテイラー などなど
映画「キャデラックレコード」について
チェスレコードの物語は映画化されています。
それが2008年公開のキャデラックレコード。
史実とは違う点も多いですが、当時の雰囲気を味わえる映画だと思います。
(個人的にはビヨンセが演じるエタジェイムスが綺麗過ぎて違和感あった笑)
デルマークレコード
デルマークレコードもチェスレコードに次ぐ権威のあるレーベルです。
デルマークレコードは1952年にミズーリ州のセントルイスに設立されました。
創業者はボブケスター。
デルマークの由来は設立当時に事務所があったデルマー通りから拝借したそうです。
1958年に会社をセントルイスからシカゴへ移しました。
そのためシカゴブルースの名門レーベルとなりました。
ブルースレーベルとしても有名ですがジャズの歴史的名盤も多数リリースしています。
現在も運営中!
デルマーク所属のミュージシャン
・ジュニアウェルズ
・バディガイ
・スリーピージョンエスティス
・マジックサム
・ロバートジュニアロックウッド などなど
-デルマークの直営店あります!-
デルマークレコードには直営店があります。
その名もBobs Blues&Jazz Mart。
シカゴに訪れた際には是非とも!
(ボブケスターから直接レコード買えるらしい・・・)
エクセロレコード
シカゴブルースの名門レーベルを紹介してきましたが・・・。
エクセロレコードはそんなシカゴブルースとは打って変わりアメリカ南部のゆるーい音が特徴。
ルイジアナの沼地のような、日本風にいうと真夏の田んぼに素足で足を突っ込む、そんな感じ。
1952年にゴスペルの名門レーベルのナッシュボロレコードの別レーベルとしてテネシー州ナッシュビルで設立。
ゆるいビートに病みつきになるファン多し!
ルイジアナのフランス系白人の音楽であるケイジャンをプロデュースしていたJDミラーがプロデューサーを務めています。
(ゆるーいリズムはこの人の趣向が大きいと思われる)
エクセロ所属のミュージシャン
・ライトニンスリム
・スリムハーポ
・ロンサムサンダウン などなど
アーフーリーレコード
アーフーリーレコードはどちらかというとカントリーブルース寄りのレーベルです。
1960年にドイツ生まれのクリスストラックウィッツによって創立。
クリスストラックウィッツはテキサスブルースの雄、ライトニンホプキンスが大のお気に入り。
ライトニンホプキンスを是非とも自分の手でリリースしたい、そんな思いからアーフーリーの歴史は始まりました。
特に一旦現役を退いていたライトニンホプキンスに第二のミュージシャンとしての人生を歩ませるなど、ライトニンへの入れ込み具合は凄まじい。
(休ませたれよ!という声が聞こえて来そうですがライトニンはステージの上でデヘヘと笑ってまんざらでもなさそうである)
ライトニンの他にはマンスリプスカムなどテキサス系のカントリーブルースに強いレーベルですがクリフトンシェニエなどのザディコ系の音楽にも強く音楽性は幅広い。
田舎の土のような(ちょっといじくるとミミズが出てきたりモグラが出てきそうな)生命をたくさん包括したような生命力溢れる力強いサウンドが魅力です!
アーフーリー所属のミュージシャン
・ライトニンホプキンス
・マンスリプスカム
・スヌークスイーグリン
・クリフトンシェニエ などなど
アリゲーターレコード
アリゲーターレコードもシカゴブルースの名門レーベルです。
当時デルマークレコードの従業員だったブルースイグノアが1971年にデルマークから独立して創業。
独立した理由が熱い!
ブルースイグノアが大好きだったブルースマンであるハウンドドッグテイラーのレコードをリリースするようにボブケスターに打診。
しかしボブケスターはそれを拒否。
「ならこんな会社辞めてハウンドドッグテイラーのために会社立ち上げてやるわぁ、ボケがぁぁあああ!」
熱い、熱すぎる。
(だから僕はアリゲーターレコードの大ファンです)
アリゲーターの名前の由来はブルースイグノアの癖からきています。
歯をカチカチ鳴らしながら音楽を聴く癖から当時付き合っていた女性はブルースイグノアのことをワニ(アリゲーター)と呼んでいたそう。
そのあだ名がそのまま社名になったのです。
アリゲーター所属のミュージシャン
・ハウンドドッグテイラー
・フェントンロビンソン
・ジョニーウィンター
・アルバートコリンズ
ワニの卵が次々孵化して・・・?
アリゲーターレコードはまだまだ現役。
積極的に新しいミュージシャンをプロデュースしています。
最近だとChristone Kingfish Ingramとか。
ワニの子供達が続々と生まれてきています!
P-VINE
P-VINE(ピーヴァイン)は東京都渋谷区に本社を置く国産のインディペンデントレーベルです。
1975年に日暮泰文と高地明によって創立されました。
P-VINEは黒人労働者達を乗せて走っていた鉄道の名前に由来。
2006年よりスペースシャワーネットワークの子会社になっています。
メジャーレーベルのカタログからこぼれ落ちたものをリリースしたりクオリティの高い独自編集盤をリリースするなど、その仕事の細やかさにファン多数。
「こんな(マニアックな)会社が売れる確率なんて万に1つもないんだろうな」
創立者の日暮泰文は当時こんなことを思っていたそうだが・・・
売れました!!
国内の人気ミュージシャンも多数所属。
P-VINE所属のミュージシャン
・在日ファンク
・ブルースザブッチャー
・少年ナイフ などなど
まとめ
いかがだったでしょうか?
レーベルがそれぞれ持つ物語と特色がザックリとお分かり頂けたことと思います。
是非ともこの中からお気に入りのレーベルを見つけてみてください。
そしてソロリと片足を突っ込んでみて・・・。
ズブズブッ!!
ブルースの底なし沼へようこそ!
今回はあくまでも主要レーベル6選!
少しマイナーだけどまだまだ紹介したいレーベルがたくさんあります。
次回はマイナーレーベル6選とかやろうかな・・・。